■ 制作工程 ■ <まんがアクセス08年2月号表紙> |
F-U.S.A.氏とぽときち宛に単体もしくは合作で、 ということでリクエストを頂いた表紙です。 F-U.S.A.氏に元画を描いてもらい、 ぽときちが色をつけて加工することにしました。 以下はその工程です。 (殆どぽときちのアナログ塗り工程ですが) 参考にはならないと思いますが、 まぁ読み物としてでも・・・(笑) 制作/文 : ぽときち |
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■1:線画(下絵) キャラクターの下絵の線画です。 これはF-U.S.A.氏にお願いしてました。 それで上がってきたのが左の画。 左から、法子、杏、アオイ。 相変わらず毎度いい表情です。 ※→<大きなサイズ>(別窓) さて、塗るのは私(ぽときち)です。 ・・・どうしよう。 デジタル(PC)で塗るかアナログで塗るか・・・ 最初はフォトショでやろうかと思ったのですが、 線画のサイズと人物の数、更に背景もあるので、 アナログで塗ることに・・ アナログ・・・つまり、紙に印刷するんですね、一回(笑) それをスキャンしてUPするという・・ なんとも不効率な方法ですが・・・(笑;) |
■2:色指定 で、印刷する前に、色の指定を(画面上で)してみました。 ざっとですね。 法子は高校の制服については自分でわかってますが、 杏とアオイの服や髪の色がわかりません。 そこで、ざっと色を付けて、原画担当に打診。 |
■F-U.S.A..氏指定学校色w それで返って来たのがコチラ。 なるほど、アオイは赤だった、と・・(何のこっちゃかw) (杏のリボンの塗りミスとかのテキトウ作業ぶりも 見事に指摘されてしまいました(笑)) -------- *【紙】:ケント紙 インクジェット印刷には実はあんまり向かないんですが、 (インクが滲んで、線が太ってしまうんですが) 彩色したときの発色優先で・・ サイズは何回か試し刷りして調整し、それからケントに。 |
■3:人物着色(1) 最初にどこから塗るか・・・ CG(デジタル)の場合は濃い色が先だったりしますが、 アナログですので、当然薄い色から。 私はとりあえず肌に色をつけちゃいます。 (結構あとで塗り忘れが出て来るんですよ〜、 耳とか手とかw) ------- *【画材】:アルコールマーカー (〜俗に言うコピックってヤツですね) でも私はコピック殆ど持ってなくて、(高いから(笑)) 他所のメーカーのモノです。 (コピックより高いモノも持ってるけど(笑)) 画面に写ってるのはPANTONEです。 肌色系については、ココのが一番近いかな、と思って、 肌色だけ使ってます(笑) ペン先も3段階に換えられるので便利。 (但し、水性インクを飛ばしやすいので、注意が必要・・ 高いモンですが正直、他人にはあまり勧めません(笑)) |
■人物着色(2) <下地を塗る> 同じ系統の色で、薄い色を塗っていきます。 なんで下地を塗るかって言うと、線の境目の対策です。 他の色と混じると違う色になったり、汚れたりしますので。 いきなり濃い色や目的の色をそのまま塗ってしまうと、 もし、はみ出したり滲んだりした場合や色を間違った場合、 修正が利かなくなってしまいます。 要するにシッパイ対策もあるんですね。 よく別の原稿用紙にコピーして塗ることがありますが、 私の場合そういう保険をかけてなかったりしますので(笑) 本来の目的は違うのですが、それは以下で・・・ |
■人物着色(3) <下地からグラデーションをとる> 服の下地はざーっと軽く塗って、その後、 上から二番目に濃い色を塗ります。 ムラが分からないように薄い色で塗っておいて、 今度は上から濃い方の色を丁寧に被せます。 実は下地のときにも注意するんですが、 服のツヤ部分などを、下地の色で残します。 だから、うんとツヤのあるところや光ってる部分は、 下地を塗る段階でも白く残しておきます。 (この辺がデジタルと逆) また、画面でわかるかと思いますが、コレ、 青を塗らずに紫を塗ってます。 紫と下地の水色を混ぜてるんですね。 服の毛糸っぽい感じを少し意識しつつ・・ ジワっとした塗りがいい加減具合になります。 |
■人物着色(4) <メインカラー> 更に濃いメインの色を塗ります。 これをはみ出すと全てパァですので(笑)、 注意深く塗ります。 特に、境目の微妙な部分の場合は、 筆(というかマーカー)の毛先が上になるように、 画(紙)を回転させたりして塗ります。 手は自分側にしかついてませんので(笑)、 手前に引くと窮屈ですし、手元でペン先が隠れますので、 手の回転に合った方向で塗ります。 特に、画面だと左側を見ながら塗る感じですね。 (私は右利きですので) 右側はペンの下になって死角になりますので、 引いたときに同じ色の部分でないとアウトです。 押し出すか左に払う感じなら大丈夫(笑) 蛇足ですが、ペンで線画を描く時も同じですね。 普通、弧を描くように線を引くのが楽ですので、 長い線を引くときなどはムリせずに紙を回すのもありかと。 強弱も入れやすいですし、失敗しませんし。 |
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